野手への熱血指導がクローズアップされる巨人・阿部慎之助二軍監督(40)が投手の意識改革にも乗り出した。これまでの宮崎キャンプではノックに打撃投手と野手への指導を中心に行ってきたが、さすがは捕手出身監督。ファームのブルペンにも足しげく通い、若手投手陣に直接指導も行っている。強打者の目線から伸び悩んでいる若手へのアドバイスとは――。

 第3クール2日目の12日はあいにくの雨となったが、阿部二軍監督は一軍ブルペンでドラフト2位・太田龍投手(21=JR東日本)やドラフト4位・井上温大投手(18=前橋商)の投球を原監督と見守った。

 阿部二軍監督はキャンプ中、ファームのブルペンをバット片手に頻繁に訪れ、杉内二軍投手コーチらから情報を収集。投球で気がつくことがあれば投手に直接、助言を行っている。

 一軍スタートだった9年目左腕・今村がファームに降格した11日にはプレートを大きく使うようアドバイス。さっそく今村はプレートを踏む位置を変えながら投球し、その違いを実感。「捕手として受けていただいたことはありましたが、監督として指導を受けたのは初めてでした。『プレートの踏み方で世界が変わるからやってみろ』と言われて。実際、ボールの入射角も変わりました。いろいろ試していきたいです」と“初指導”に感謝した。

 さらに4年目・堀岡や2年目・横川、直江らに指揮官が勧めたのが踏み込む足を一度、後ろに引いてから投げる「アメリカンスタイル」。2007年のヤクルト時代に対戦し、08〜11年まで同僚だったグライシンガーや広島・九里が得意とする投球方法で阿部二軍監督は「普通の投げ方だと打者は準備できる。だけどこのスタイルだと打者が立ち遅れる。いろいろ試してつかんで一日を終えろ」と厳命した。

 指揮官はその狙いについて「打者が嫌というか、本人がそうやって投げてみて投げやすいとか、そういう変革をした方がいいから。自分でバリエーションを持った方がいいでしょ」と説明。406本塁打を放った打者の目線から、一軍で活躍するため引き出しは多いに越したことはないとの持論がある。

 現役時代、多くの時間を過ごしたブルペンは投手が成長するための場。ただ気持ちよく腕を振っているだけの投手には「実戦を想定して投げろ!」とゲキを飛ばす。常に打者との対戦を意識させ、配球も一球一球、考えて投げさせている。

 すべては一軍マウンドで相手打者を抑えるため。野手、投手にかかわらず阿部二軍監督の指導は首尾一貫している。