【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】クロノジェネシスの和田保長助手が東スポWebのインタビュー動画に初めて登場したのは昨年のオークス。寡黙な雰囲気で、年齢に似合わぬ職人風情を醸し出していた。ところが、話してみると言葉数は少ないものの、声は柔らかく口調も優しい。これまでの経験上、こういう人が腕利きであることは多い。人の穏やかさが馬にいい作用をもたらすのだろう。

 僕がトレセンに通い始めたころは、厩舎のあちこちから馬を叱る声が聞こえてきた。それが日常の光景だった。そんな時代に「馬を怒ってはいけない」と厩舎スタッフに説いていたのは、開業間もないころの松田国英先生だ。その言葉は当時、革新的な響きがあったが、今やそれがトレセンの常識となっている。馬に接するのは優しく繊細な人がいいのは間違いない。

 和田助手はまさしくそのままの人である。お世辞にも冗舌とは言えないが、今回は愛馬に対しての自信を隠さなかった。「馬は大きくなって成長しているし(牡馬と走っても)ヒルむような性格の子じゃない」。腕利きの人は他馬との比較を好まない傾向にあるが、褒めるときは得てして自信の表れと取っていい。軸はクロノジェネシスでいいだろう。といっても、シルクロードS3連単10万円馬券的中の余韻は、たった1週間で熊崎晴香の東京新聞杯12万円馬券的中によってかき消された。そのインパクトをはじき返すのにクロノ本命では弱い。穴馬を狙い撃たねば。

 そこで◎は非根幹距離2200メートルの宝塚記念で3着のあるノーブルマーズ。最後にもうひと脚伸ばせるシュタルケの手綱に期待したい。

◎⑨ノーブルマーズ
○⑦クロノジェネシス
▲③クラージュゲリエ
△①カレンブーケドール

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時〜ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門。