新型コロナウイルス感染防止のため無観客開催となった大相撲春場所は、最後まで異例ずくめとなった。

 力士、親方衆ら日本相撲協会の協会員に感染者が出た場合は打ち切りとなる中で、15日間を“完走”した。横綱白鵬が44度目の優勝を果たし場所を締めたが、全取組終了後には八角理事長(56=元横綱北勝海)と幕内力士が揃う異例の形式で協会あいさつを実施した。同理事長は土俵上で感極まり、言葉を詰まらせる場面も。「相撲は世の中の平安を祈願するために行われてまいりました」と神事としての開催意義を強調した上で「過酷な状況下の中、皆様のご声援を心で感じながら立派に土俵を務めあげてくれました全力士、そして、全協会員を誇りに思います」と語った。

 また、天皇賜杯、優勝旗、内閣総理大臣杯の授与以外の優勝力士への表彰は取りやめとなった。このためNHKの中継では、午後6時までの通常放送なら流されない「神送りの儀式」まで放送された。これは土俵に降りてきた神様をお送りするために行司を胴上げする儀式で、お茶の間は何とも珍しい光景を目にすることに。

 一方で次の夏場所は通常開催に戻るのか、それとも無観客続行なのか、中止なのか。新型コロナ禍の終息が見通せない状況で、相撲協会は再び頭を悩ませそうだ。