22日、中山競馬場で行われたGIIスプリングS(芝内1800メートル)は、6番人気の伏兵ガロアクリーク(牡・上原)が優勝。2着ヴェルトライゼンデ、3着サクセッションまでが牡馬クラシック第1弾・GI皐月賞(4月19日=中山芝内2000メートル)の優先出走権を獲得した。2歳王者も重賞勝ち馬も不在だった今回のトライアルの価値は、果たしてどの程度なのだろうか。

 前日の阪神・若葉S同様にJRA芝重賞勝ち馬が不在のメンバー構成。額面通りに“GII”の重みが伴うタイトルなのかは現時点では誰も即答できまい。とはいえコントレイル、サリオスの両無敗馬が皐月賞へ直行。トライアル3レースのみならず、前哨戦の顔触れはどれも似たり寄ったりだ。

 むしろGIホープフルS・2着ヴェルトライゼンデ、ジュニアC(リステッド)を含む3勝マークのサクセッションという明確な物差しが存在した当レースは、他よりも意義のあるステップと判断できる。その2強を退けて初タイトルを奪取したガロアクリークは本番でも軽視できない新星となるかもしれない。

 逃げたアオイクレアトールが刻んだ5ハロン通過は63秒2の超スロー。鞍上との折り合いが要求される展開となったが、最終追い切りにも騎乗していたヒューイットソンとの呼吸はピッタリだ。中団の外めを手応え十分のまま進出すると、直線の追い比べに。内ヴェルトライゼンデ、外サクセッションの間のスペースはわずかでも、一瞬で突き抜ければ問題はなかった。出走馬最速の上がり33秒8の末脚を繰り出すと、ヴェルトライゼンデに1馬身1/4差をつけて先頭ゴール。完勝と言える内容で皐月賞切符を奪取した。

 短期免許(5月4日まで)で参戦中のヒューイットソンはJRA重賞5回目の挑戦で初制覇。「日本のGIIという大きなレースを勝てて光栄です。さらに大きなレースに一緒に向かえる馬がいることは本当にうれしい。距離は二千までが限界と思うが、能力でこなしてくれるでしょう」と視線は早くもGI初制覇に向いている。

「人気薄のスプリングSからの参戦…。ダイワメジャーと同じだね」と管理する上原調教師は、かつての管理馬の足跡を重ねてフロック視に警鐘を鳴らす。最終的にはGIを5勝した名馬もスプリングS・3着から臨んだ04年皐月賞は単勝10番人気。鞍上は通年免許取得前のM・デムーロ(当時25歳)だった。今度は南アフリカ出身の若武者に大仕事の期待がかかる。

「キンシャサノキセキ産駒ですが、体が柔らかく跳びがきれいなので当初から距離は持つ、と見ていました。強敵相手のホープフルS(11着)がいい経験になったし、ここにきて子供っぽい面が解消されてきましたからね。落ち着きが出てきた今なら二千でも」と上原調教師。厩舎の大先輩に続くクラシック激走を警戒したほうがいいかもしれない。