春場所で44回目の優勝を果たした横綱白鵬(35=宮城野)が新型コロナウイルスの影響で初の無観客開催となった異例の場所を振り返った。白鵬が恐れていたのは感染者が出た場合の打ち切り。「それが一番怖かったですね。目に見えないもの。いつそれがやってくるのか。そういう意味で今はホッとしています」と安堵感を漂わせた。

 千秋楽(22日)の協会あいさつでは日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)が「過酷な状況の中、立派に土俵を務め上げてくれた全力士、全協会員を誇りに思う」と述べた。白鵬は「実はあの時、涙を流してしまいました」という。「理事長がお相撲さん側に立って言葉を発してくれているような気がして。そこに異例の場所の初日のことを胸の中で振り返ってみたらグッときましたね」と告白した。

 大関昇進を確実にしている朝乃山(26=高砂)についても言及。「(NHKの番組出演で顔を合わせた際に)『おめでとう。これからが大変だぞ』と少しプレッシャーをかけておいた(笑い)。右四つの形があるから大関としては長くやっていく力がある。そこから先(横綱)は精神的なもの。私の後継者となって相撲界を引っ張っていってくれる存在なのかもしれない」と期待をかけた。