2019年W杯に臨んだ日本代表がベスト8に進出し、大ブームを巻き起こしたラグビー界が苦境に立たされている。

 W杯効果で好調な集客を見せていたトップリーグ(TL)は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて今シーズンの中止を発表した。太田治チェアマン(55)は「苦渋の決断」とし、観客、選手、関係者の健康と安全確保が難しい上に、外国人選手の間でウイルス不安が広がったのも理由だという。すでにオーストラリアやニュージーランドなど、各国政府の帰国要請に従って一部の外国人選手が帰国。今後の再合流のメドも立っていない。

 5月の日本選手権は開催予定だが、TLの中止は“にわかファン”からラグビー熱を奪ってしまいかねない。となれば、試合に勝るツールはなくとも選手らが何らかの形で競技の魅力を発信する方法も考えられるが、ここでTL選手による薬物事件が足を引っ張る事態となってしまった。

 太田チェアマンは「現段階ではコンプライアンスの関係で自粛中なので、それをクリアしてから何かできたらと考えている」と説明。つまり3月いっぱいは新型コロナウイルスの影響ではなく、あくまで薬物問題によるリーグ中止となっているため、表立ったPR活動ができないわけだ。

 今回の決定に元日本代表主将の廣瀬俊朗氏(38)は自身のツイッターで「こればっかりは、仕方ないね。選手から、何か発信があれば、ファンはうれしいやろね」と提言したが、ラグビー界は“無策”でブームが去るのを待つだけなのか。