【取材のウラ側 現場ノート】今季から阪神に新加入したジョー・ガンケル投手(28=前マーリンズ3A)は、不思議な魅力を持つ選手だ。

 今春のキャンプ中、記者も年明けから阪神担当となり、右も左も分からない取材活動のなか、初めての単独取材にこぎ着けた相手がガンケルだった。

 好きな日本食を聞けば「うな重。回転ずしにも挑戦したいね」ととてもフランクで、そこで記者は“新加入同士”という勝手な親近感から「周囲に溶け込むために何を大事にしているんですか。新米として僕も参考にしたいので教えてください」と頼んでみた。

 すると「できるだけ日本人に絡み、彼らが何を伝えようとしているか知ることが大事と思っている。言葉が未熟でもいい関係性は築けるんだ」。そして記者に「大事なのは周囲とのコミュニケーションだよ」と優しくアドバイス。その振る舞いに「絶対に成功して日本に長くいてほしい」と強く思った。

 特に興味深かったのは、大事な試合で投げる際に行うある“儀式”についてだ。「本などから気に入った言葉を書き記したノートを、大事な試合に投げる前に読んで自信や余裕を持って試合に臨むようにしているんだ」。続けて「例えば『アイス&バーン(氷と炎)』というフレーズが気に入っている。冷静ながら熱い気持ちが持てるんだ」と内容を教えてくれた。

 そんなガンケルの姿勢やプレーぶりは、すでに周囲にもしっかり伝わっている。矢野監督も「ハングリー精神というか日本で頑張りたいという気持ちがあった」と、キャンプMVPに選出したほどだ。

 先発候補として期待されるガンケル。必ずローテに入って虎の救世主になってくれ! そう応援したくなる魅力がこの男にはある。