ドイツ1部ブレーメンの日本代表FW大迫勇也(30)が驚異の“ラストスパート”で救世主となった。リーグ最終節のケルン戦(27日)で2得点1アシストの大活躍で6―1の大勝に貢献。自動降格圏の17位から16位に浮上し、1部残留をかけた2部3位ハイデンハイムとのプレーオフ(7月2、6日)進出の立役者に。一時は不振からチーム低迷の戦犯扱いされたが、最終局面で信頼を回復し、運命の戦いに臨む。

 大迫所属のブレーメンは最終節を前に17位と低迷し、16位デュッセルドルフが勝利したら2部降格が決定する絶望的な状況だった。だが、そんな窮地で大迫が先制弾を含む2ゴール1アシストと大爆発。デュッセルドルフが敗れたため、奇跡の大逆転で自動降格を阻止し、何とか残留プレーオフに進んだ。

 土壇場で大迫が見せた好パフォーマンスに、同クラブのスポーツディレクターを務めるフランク・バウマン氏(44)も「働きは特別だ。これまで見逃されてきた質の高いプレーだった」と大絶賛。地元メディアもこぞって日本人FWを高く評価するなど、リーグが選出する最終節の最優秀選手(MVP)にも輝いた。

 今シーズンは苦難の連続だった。開幕直後こそ3試合で3ゴールと最高のスタートを切ったものの、昨年9月に左太ももを負傷して離脱。約1か月半のリハビリを経て復帰するも、なかなかコンディションが上がらなかった。

 年が明けても万全とはいかず、フロリアン・コーフェルト監督(37)の信頼も薄れ、出場機会は徐々に減少。新型コロナウイルスによる中断から5月18日のレーバークーゼン戦でリーグ戦が再開した際には控えで、同30日のシャルケ戦では後半開始から出場しながら相手GKと1対1の絶好機でパスを選択してチャンスを潰し、指揮官の怒りを買ってベンチへ下げられる屈辱も味わった。

 このまま自動降格となれば、40年ぶりの2部行きとなり、大迫は戦犯として批判は免れない状況だったが、シーズン最後の4試合で4得点と“火事場のばか力”を発揮。欧州所属選手をサポートする関係者からは「最後の最後に帳尻を合わせたから来季に向けて評価も落ちないのでは」と指摘する声も上がり、見事なV字回復を果たした。

 とはいえ、まだ終わったわけではない。1部残留のためには2部3位とのプレーオフに勝たなければならない。真の救世主となるべく、この勢いを生かしたいところだ。