Gの守護神問題が急展開だ。不動のクローザーだったデラロサの故障離脱に伴い、巨人・原辰徳監督(61)は新たな守護神に意外な(?)男を指名した。1日のDeNA戦で特大カミナリを落としたばかりの澤村拓一投手(32)だ。これまで右腕はグラウンド内外で背信を繰り返してきたが、節目では必ずと言っていいほど浮上してくる。その背景にある指揮官の思いとは――。

 左脇腹の肉離れを発症したデラロサが登録抹消となり、一躍注目された後任候補。7日の関西移動前、報道陣に応対した指揮官が明かしたのは、まさかの男だった。

「やっぱり澤村に期待なんじゃないのかな。それで(一軍に合流した)ビエイラがどれくらいか」

 現在、ブルペンで最も安定しているのは5年目左腕の中川。昨季は抑えを含めて万能にこなした経験もあり、有力候補と目されていた。しかし、原監督の戦略は「中川を一番後ろに持っていくというのは、比較的やさしいかもしれないけれども、昨年の部分からいくと、やっぱり中川を7、8回にね。9回に行くこともあるかもしれないけど」というものだった。

 説明に説得力があるとはいえ、代役守護神に指名した澤村には1日のDeNA戦(東京ドーム)での四球連発に業を煮やし、試合中に公開説教を食らわせたばかり。150キロ台中盤の剛速球でネジ伏せる力があることは確かだが、制球難から自滅したケースも数知れない。甲子園での阪神戦では澤村の名前がアナウンスされ、虎党から謎の大歓声が上がったこともある。澤村の守護神復活の一報に、チーム内からは「えっ…マジっすか?」との声も漏れた。

 2016年に最多セーブのタイトルを手にした実績もあるが、今回の大胆な決断の背景にあるのは何なのか? それは指揮官の澤村に対する〝親心〟だともっぱらだ。

 18年オフには原監督自ら澤村に先発転向を打診。しかし、右腕は首を縦に振らず、リリーフ挑戦を直訴した。19年にはグラウンド外でトラブルを起こし、前半戦は先発でも救援でも結果を残すことはできなかったが、それでもどうにかして澤村が輝ける場所を模索し続けてきた経緯がある。時にはあきれ果て「(走者を)1人、2人は出すよ、澤村は」と吐き捨ててみたり、直接厳しい言葉を浴びせてきたのも、そこまでぶっ叩く価値がある男と見込んでこそだ。

 当の澤村は「任された以上はチームの勝ちに結びつけられたらいい。常に(監督からの)期待は感じています」と緊張感をにじませた。これまで幾度となく期待を裏切ってきた剛腕は、今度こそ指揮官の恩情に報いることができるか。