【どうなる?東京五輪パラリンピック(78)】もはや、ただごとではない。来年夏に延期された東京五輪の「中止論」が日増しに強まる中、開催地・東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が9日に過去最多の224人を記録した。それでも大会組織委員会は一貫して「開催」の姿勢を崩さないが、本音はやはり違う。無理にでも開催を主張せざるを得ない切羽詰まった状況を示す、衝撃の“内部告発”を本紙はキャッチ。組織委の現場職員が打ち明けたリアルな現状とは?

 中止、77%――。これは一部メディアが行った五輪開催是非の世論調査の結果だ。先の東京都知事選でも複数の候補者が「五輪中止」を掲げたように、もはや「開催」は少数派。しかし、組織委の高谷正哲スポークスパーソン(41)は各媒体の調査について「ニュースは拝見しましたが、調査によって数字の傾向がある」とした上で、全体的な印象として「6割以上、調査によってはそれ以上の方が大会の開催を望んでいる」と語る。森喜朗会長(82)も「コロナ禍を乗り越えた人類の団結と共生の象徴」と主張を変える様子はない。

 もちろん、それぞれ「立場」があるだけに、開催を否定できるわけがない。さらに言えば、逆風が強まるほど開催を主張しなければならない事情があるのだ。以前、本紙は組織委職員の本音として「心の中では開催できないと思っている。その葛藤の中で仕事するのは本当につらい」という言葉を紹介したが、別の職員はこう明かした。

 まずは前提として「組織委では『中止』の単語が禁句」「組織委が最も恐れているのは世論が中止に傾き、スポンサーが撤退すること」の2点を指摘。これに関しては、本紙も都知事選で中止を主張した山本太郎氏(45)の名が組織委内で「NGワード」になっていると伝えた。さらには「スポンサーの4社が撤退を検討している」という。

 一方、組織委が管理している「聖火」の“裏事情”も教えてくれた。「森会長の『聖火をオリンピックミュージアム(東京・新宿区)に持ってくる』という発言もスポンサー撤退を恐れているから。すべて森会長の思いつきです」

 森会長の発言は6月12日に出たもの。この時、聖火について「今も都内で大切に保管され、絶えることなくともり続けている」ともアピールした。つまり、五輪の象徴が無事に日本に存在していることが中止回避の“切り札”なのだ。しかも前述の職員は極秘とされる聖火の保管場所も暴露。本紙は事実確認のため、その行政施設に問い合わせると、電話に出た担当者は「ちょっと、それは…お答えできません」と狼狽。この様子からも、情報の信ぴょう性は高いとみられる。

 いずれにせよ幹部と現場職員の温度差は広がるばかり。最後に職員は「もう誰も大会が開催されると思っていません。世論がもっと中止に傾き、そうなることを願ってます」とまで…。穏やかではない“告発”が今の緊急事態を物語っている。