大相撲秋場所(東京・両国国技館)で関脇正代(28=時津風)が幕内初優勝に近づいてきた。13日目(25日)は、2敗で並んでいた大関貴景勝(24=千賀ノ浦)を破って11勝目を挙げてトップの座をキープした。そんな〝戦国場所〟もいよいよクライマックスを迎えようとする中、地元熊本では大いに盛り上がっているという。後援会や自治体が知恵を絞ってエールを送り、悲願のVを後押しする。


 抜群の安定感だった。同じく優勝争いトップの大関に土をつけた正代は「全体的に自分が攻める相撲ができたのがよかった」。これで2敗は幕内翔猿(とびざる=28、追手風)と2人に絞られたが「優勝争いをしていようがなかろうが緊張はするので、そんなに変わらないと思います」と〝いつも通り〟を強調した。

 白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱が休場した〝戦国場所〟もいよいよ大詰めを迎える中、正代の活躍ぶりに熊本・宇土市後援会の金田光生会長(68)も「(地元は)盛り上がっていますよ。少し前まではハラハラして見ていたけど、今は安定した相撲ですよね」とニッコリ。また、貴景勝との一番にはかねて「10勝を挙げたら翌日からファンを集めて応援する」と話していたように、宇土市民体育館でパブリックビューイングを開催して約50人が詰めかけた。

 新型コロナウイルス禍での企画ということもあり、後援会は自治体としっかり連携。金田会長は「人と人の間隔を空けて、しっかり3密対策すれば大丈夫だと考えています」と説明し、最大でも100人限定として千秋楽まで温かいエールを送るつもりだ。

 さらに、地元では正代が白星を挙げるたびに花火を打ち上げるのが、恒例の〝儀式〟。金田氏によると、通常の3発から、ここ最近は増加傾向にあるという。「そのときの気分というのもあるけど、5発にしたり、8発にしてみたり。相手によって変えたりしていますね」。ちなみに大一番を制した、この日の祝砲は8発だった。

 今場所前にはイグサ農家の有志がベッドとしても使用できる1人用の特注ソファを送った。外出はできないため、限られた時間のリラックスアイテムとなっていることは間違いない。

 正代は「自分の相撲で喜んでもらえるなら頑張ろうという気持ちです」と語っており、地元のエールを原動力にするつもりだ。