大相撲秋場所千秋楽(27日、東京・両国国技館)、関脇正代(28=時津風)が新入幕の翔猿(28=追手風)に快勝。13勝2敗で悲願の初優勝を飾った。熊本県出身力士の幕内優勝も初めてとなった。

 大一番は苦戦だった。立ち合いから、今場所旋風を巻き起こした翔猿に頭で当たられて後退。何とかいなして前に出るが、相手にいなされて土俵際に追い込まれた。大ピンチにも正代は片足で残りながら必死の突き落とし。見事に決まって、賜杯をたぐり寄せた。

 優勝インタビューでは「信じられません…」と言い、優勝を決めた一番については「初顔合わせだったんで、とても意識したし、やりづらさもあった。今までの相撲人生の中で一番緊張したかもしれない。よく体が反応してくれた」と感慨深げに話した。

 今年の1月、7月場所でもV争いを演じたが、壁にはね返されてきた。本人も「勝ったとはわかったが、優勝したのはいまいちわからなくて何とも言えない感じだった」といまだ実感できない様子。

 故郷の熊本・宇土市ではこの日もパブリックビューイングが行われ、両親らが大声援を送った。「両親も(自分に)プレッシャーをかけないようにあまり連絡もなく、たぶん気を使ってもらっていたと思う。優勝できて両親に感謝したい」とかみ締めるように語った。

 これで場所後の大関昇進も濃厚に。本人は「うーん、ちょっとわからないです」となぜか苦笑いしたが「相撲界に入る前から憧れの地位。力士全員が憧れている地位だと思う。信じられないですね…」。最後は「1月と7月場所に優勝を逃したんで、今場所に生きてきたんじゃないかと思います」と自身の成長を実感しているようだった。