むつ市や青森市、外ケ浜町など県内7市町が連携し、アジアトップクラスの評価を受けているシンガポール国立大学(NUS)の学生を青森県に招く短期留学プログラムを今年5月に実施する。むつ市が事業主体となり、7市町で学生を受け入れる。期間中は、語学研修や地場産品の海外販路開拓をテーマにした研修、体験プログラムの提供などを計画している。シンガポールでの県産品の知名度向上や販売促進、将来的な交流人口、関係人口拡大につなげたい考えだ。宮下宗一郎むつ市長が14日の会見で明らかにした。

 受け入れ先はむつ、青森、外ケ浜のほか弘前、黒石、三沢、平川の4市。短期留学に参加するのは、NUS語学教育研究センターの学生5人程度を想定しており、5月下旬から2週間ほど滞在する。NUSは1月中にも、参加学生の募集を始める。

 学生に提供するプログラムは、各市町が検討する。むつ市は、市内の生産者や事業者を交えて、地域のブランド力向上や海外販路開拓の方法などを一緒に考えてもらう取り組みを計画。シンガポールは英語を公用語の一つとしていることから、英語教育の一環として、学生と市内小中学生の交流事業も取り入れる方針という。

 学生の滞在先となる7市町は、2019年11月にシンガポールで行われた物産・観光PRイベントの参加自治体。このミッション団がNUSを訪れた際、語学教育研究センターのウォーカー泉副所長から「日本語を学んでいる学生が、実際に日本を訪れる機会はなかなかない。受け入れてもらえるとありがたい」と提案があり、プログラムの検討が進められてきたという。

 むつ市によると、NUS訪問は、PR事業をシンガポール側で取りまとめた飯田広助氏=青森市出身=の手引きで実現した。飯田氏は、現地で日本人向けの無料情報誌を発行する会社を経営している。

 宮下市長は会見で「アジアで最も優秀な大学の可能性をわれわれの地域に生かすとともに、学生が県内での経験をシンガポールに持ち帰り、新たな発信につながればと期待している。継続的に実施していきたい」と話した。

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シンガポール国立大学 1905年創立。シンガポール国内に3カ所のキャンパスがあり、法学、医学、情報科学をはじめ13学部・4大学院などから成る。学部生は約3万人、大学院生は約1万人が在籍している。英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの2019年世界大学ランキングでは、アジア3番手の25位(東京大36位、京都大65位)。中国の清華大、北京大と並び、アジアの中でトップクラスの国際的評価を受けている。略称NUS。