青森県中泊町は、農業法人や集落営農組織がブロックごとに大規模農地を経営する新たな農業の形態を町内の農業関係者に提案する。法人や集落営農組織が農家から農地を借り受けるなどして、中里地区の農地約3200ヘクタールを8ブロックに分ける構想。現在、計画の詳細を詰めており、3月中に策定する見込みだ。各ブロックの組織が収益性の高い野菜への転作や農業機械の共同利用によるコスト削減に取り組み、農家の所得向上を目指す。

 15日に町中央公民館で開かれた住民懇談会で、町側が計画の概要を明らかにした。計画では、農地の賃貸を仲介する「農地中間管理機構」を経由して、農家が各ブロックの法人や集落営農組織に農地を貸す方法を想定。法人などが農家の農作業を受託するケースもあるという。

 農林水産省の調査によると、同町の2017年の農業産出額は約30億円で、昭和60年代の半分程度に落ち込んでいる。人口減少や食生活の変化などで国内の主食用米の需要が低下し、米価が下落したことが主な要因だ。

 こうした状況に歯止めをかけるためには、収益性の高い野菜との複合経営や加工品の販売を推奨し、コメの単作からの脱却を進める必要があるが、個別の農家にとっては初期投資の高さが障壁となる。このため、町は各ブロックの農業法人や集落営農組織を経営の担い手とし、複合経営などを進めたい考えだ。1年のうち決まった期間しか使わないトラクターなどの共同利用を促すことで、経費の削減も図るという。

 濱舘豊光町長は「農家がばらばらにやる個人戦から団体戦の大規模農業に移行し、稼ぐ農業の体制をつくりたい。そうすれば後継者も育つはず」と述べた。