三八地方の漁業士でつくる三八漁業士会の研修会が12日、青森県八戸市の八戸グランドホテルで開かれた。全国で不漁が深刻化しているサケの資源状況について研究者が講演し、参加した約50人の漁協関係者らが資源回復策に理解を深めた。

 国立研究開発法人水産研究・教育機構東北区水産研究所沿岸漁業資源研究センターさけ・ます資源グループの高橋史久グループ長、小松信治主幹技術員が講師を務めた。高橋グループ長は「来期の資源も厳しい可能性があり、現状のままでは地域経済に悪影響を及ぼす」と述べた。

 小松技術員は、青森県沖を含む本州太平洋側の2019年のサケ来遊量は前年比72%減の163万匹で、1989(平成元)年以降最低だった−と説明。例年北から岩手県沖周辺まで張り出す冷たい親潮が16年春は南下せず北に偏り、青森県沖などは「異常なほど海水が高温だった」ことなどから、今期来遊するはずだった稚魚の生存に影響を及ぼした可能性を指摘した。

 また、岩手県などでは種卵確保に海産親魚を使っている場合が多いことなど各県の事例を紹介。「資源回復のためには民間ふ化場と漁協や行政、漁業者の協力が必要」と語った。

 海産親魚を内水面漁協に提供する取り組みを行っている八戸市南浜漁協の深川修一組合長は「川、海の漁業者で話し合いの場をつくっていければ」と参加者に協力を求めた。