リンゴかすなどの飼料を与えて飼育した子羊「アップルラム」の食肉出荷を目指している青森県黒石市と弘前大学は13日、弘前市のイタリア料理店で試食会を開いた。参加者からは「食感が良く、上品な味」との声が聞かれ、関係者は、将来の安定供給へ向け手応えを感じていた。

 黒石市は2017年度から、アップルラム出荷の可能性を探る事業を開始。初年度に飼育事業者に必要な費用を補助。現在は飼料を提供しており、市内の2事業者が11頭を飼育している。弘大は、リンゴかす配合の発酵飼料の与え方などに工夫を重ね、肉質の改良に取り組んでいる。

 試食会は、弘前市本町のイタリアンレストラン「オステリアエノテカ ダ・サスィーノ」で開催。高樋憲・黒石市長や佐藤敬学長ら15人が参加した。

 弘大の施設で育てた3頭の肉を使い、笹森通彰シェフが、ラムモモのロースト、ラムのハンバーグ、ラム肩ロース肉のシードル煮込みなど8種類の料理を提供。参加者は、「上品でしつこくない味」「柔らかくて、おいしい」と感想を語り、高樋市長は「津軽のブランドとなる可能性はある。生産体制を充実させたい」と意欲を示した。

 本年度、農水省の「料理マスターズ」に選ばれている笹森シェフは「赤身と脂のバランスが良く、上質の肉。和食、洋食どちらにも向いている。正式に市販されれば使わせてもらいたい」と高く評価した。

 関係者によると、ラム肉を含め国産の羊肉は需要が高く、高値で取引されるが、全国的に生産者が少ないという。事業に携わっている弘大農学生命科学部の松崎正敏教授は「試食での意見を参考にさらに改良を加え、地元のレストランで扱ってもらえるようにしたい」と話した。