世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足が、花粉症患者を困らせている。ひどい鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ…。つらさを知る青森県内患者の多くがシーズン前からマスクを備蓄しているが、「マスクが切れたらどうしたらいいのか」と不安を募らせている。

 青森市にある小売店。18日、マスクが置いてあった棚はがらんと空き、品切れ状態が続いていた。マスクは、国の方針で病院や介護施設などに優先配分されることになっている。一般店舗への大量入荷のめどは立っていない。

 今年はまだ症状が出ていないという青森市の70代女性は、マスクなどの品ぞろえをチェックしに店を訪れた。「マスクもないけど、除菌シートもない。あらためてだけど、すごいびっくり」と話した。

 五所川原市の70代女性は「家にマスクが6枚しかない」とあせりの色を隠さない。「今はまだいいが、もっと暖かくなったら、一体どうなるのか…」

 県花粉情報研究会によると、今年の花粉飛散は、暖冬の影響で例年より早い今月上旬から始まった。ピークはこれからで、青森市方面では大飛散になる見込みという。八戸市、五所川原市は例年並み、弘前市、むつ市は例年並みからやや多めの予想となっている。

 弘前市の20代男性は「入荷するまで我慢するしかない。多少残っているのでそれを使う」。青森市の70代女性は「大切に、本当に必要なときにしか使わない」と心に決めた。多くの患者が節約モードに入っている。

 「マスクは花粉症対策に必須。正直われわれも困った事態とみている」。花粉症などアレルギーが専門の弘前大学医学部付属病院の高畑淳子医師(耳鼻咽喉科)も嘆いている。

 高畑医師は「症状がひどくなる前に、早め早めの服薬が重要。鼻や目の粘膜に付く花粉を減らすには、やはりマスクやめがねは欠かせない。お手製の布マスクでもないよりはいい」と提案する。花粉はウイルスより大きく、手作りでも一定の効果が見込まれるという。

 イギリスなどでは鼻の入り口に市販のワセリンを少し塗ることで、奥まで吸い込む花粉を減らす対策もされている−とも。「医学的なエビデンス(良いという証拠)は乏しいかもしれないが、試してみても悪くないのでは」と語った。