みちのく銀行は2019年度中間決算で純損益15億円の赤字となり、第3四半期決算で赤字幅が47億円に膨らんだ。超低金利や与信費用の増加、有価証券運用のつまずきが響いた形で、収益構造の立て直しが急務だ。全国では地銀の経営統合や出資の受け入れが相次いでいる。藤澤貴之頭取は「資本に踏み込んだ連携は一切考えていない」と明言する。一方で、幅広い商品をそろえて顧客ニーズに応えるため、業務提携は強力に推進する考えだ。

 −生き残り策は。

 「キーワードは生産性の向上だ。店舗の配置を効率化する。来店数はかなり減っている。現在84店舗あるが、20年度末には70半ばになるのはほぼ確実。計画より速いスピードでやっており、24年3月末には60店にする。これ以上減らすこともあり得る」

 「店舗の効率化で生まれた人員を顧客と直接触れる営業部門に充て、強化する。法人客には営業利益を高める提案をするため、ソリューション(課題解決)の専門家を育てる。個人客には休日営業拠点を拡充していく」

 −青森銀行との経営統合、SBIホールディングスから出資を受けることなどはあるのか。

 「大きな考え方として、資本に踏み込んだ連携は一切予定していない。しかし、われわれの生産性向上、顧客、地域のためになるサービスの展開に向け、幅広い商品を扱えるようなアライアンス(提携)は強力に進める。経営者として何も考えていないわけではなく、取り得る選択肢のパターンはいろいろシミュレーションしている」

 −同一県の地銀が統合しやすくなる独占禁止法の特例法案が閣議決定された。

 「特例法が施行されれば、一般論だが、それをにらんだ動きは全国で出てくるのではないか。青森銀行とみちのく銀行を合わせるとシェアは7割強となる。一緒になればいいという声も、反対だという声もよく聞く。(統合も)取り得る選択肢の中に包含されることになるが、今は考えていない」

 −青銀との包括的連携を進めている。

 「現金自動預払機(ATM)手数料の相互無料化は目玉だ。顧客の利便性がかなり高まる。われわれのATM空白地帯に青森銀行のATMがあれば、新たに投資する必要がない。これはお互いにそうだ。イベント活動なども一緒にやっていければいい。ほかの金融機関も巻き込んでやっていければ」

 −ビジネスモデルが同じなら、統合が合理的との見方がある。

 「われわれはどちらかというと、中小零細企業や個人ローンに強みがある。(青銀と)客層はバッティングしているが、そうでない部分もある。歴史的に差があるのは、(青銀が)マーケット(有価証券)の運用力が強く、われわれが弱いことだ」

 −第3四半期の赤字が膨らんだ。来期の見通しは。

 「有価証券の損失もあるが、大口の与信費用が発生した。中間期に見えなかった部分が出た。来期は、V字回復などできるものではないが、黒字化するのは当然だ。営業力強化、収益力向上へ一丸となって進む」

 −公的資金200億円が入っている。

 「剰余金を積み上げて返していく。これは変わっていない」

 −金融庁が規制緩和を進めているが。

 「大歓迎だ。銀行の枠にとらわれず、銀行発のビジネスをつくろうとしている。若手行員に手を挙げてもらい、面白いアイデアがあれば事業化したい。別会社をつくって事業化してもいい。地域のためになるならば」