県は23日、青森県で絶滅の恐れがある野生生物を分類したレッドデータブックを10年ぶりに改訂し、公表した。これまで最上位の「絶滅(EXランク)」扱いだったイノシシとニホンジカは、目撃情報が県内で相次ぎ、2020年度版では希少性などが上から5番目の「要調査野生生物(Dランク)」に大きく引き下げられた。絶滅危惧種に相当する「最重要希少野生生物(Aランク)」だったカトリヤンマとヤマキチョウが新たに絶滅扱いになった。

 ほかに「幻の水草」と呼ばれ、つがる市の湖沼群で17年に国内2例目として発見されたガシャモクが、新たにAランクに選定された。

 県民になじみの深い生物では、ランク外だったニホンウナギがAランクに、ハマグリが「重要希少野生生物(Bランク)」に、トノサマガエルが「希少野生生物(Cランク)」に新しく追加された。それぞれ個体数の減少や生息環境の悪化などが理由。オオクワガタは生息環境の悪化により、DランクからCランクに一つ上がった。

 トキとタンチョウは、専門家による検討結果を踏まえて新規に「絶滅」に加えた。県は20年版レッドデータブックの全文を県ホームページに掲載している。

 10年版によると、ニホンジカ(和名ホンシュウジカ)は1910年代、イノシシ(同ニホンイノシシ)は1880年ごろを最後に青森県から絶滅したとされる。両方とも繁殖力が強く、農作物をはじめ生態系への悪影響が懸念されている。