「延期は寂しいが仕方ない」「今は(大会を)やるべきではない」−。新型コロナウイルスの感染拡大で、国際オリンピック委員会(IOC)が23日、東京五輪の開催延期を含む検討を行うとしたことについて、青森県内関係者らは比較的冷静に受け止めた。一方、これまで準備を積み重ねてきたスタッフや、大会に照準を合わせてきた選手を気遣い「早くこの状況が落ち着いてほしい」と願う声も目立った。

 2008年の北京五輪から3大会連続でカヌースラローム・カヤック日本代表で出場、五輪聖火ランナーに選ばれた矢澤一輝さん(31)=西目屋村教委=は「この状況で選手たちが練習に集中することは難しい。早くこの状況が落ち着いてほしい」と話す。十和田市の上村鮎子さん(49)は「選手にとって(今の混乱は)苦しい状況。延期は寂しいが仕方のないこと」と一定の理解を示しつつ「大会を準備するスタッフやボランティアを含む損害の大きさを考えると、ぞっとする」と話した。

 聖火リレー・五所川原市コースのスタート地点となっている立佞武多(たちねぷた)の館の菊池忠館長(72)は「海外の観光客に立佞武多を見てもらう良い機会と期待しているので、中止ではないことにほっとしている」と胸をなで下ろす一方、入館者が減少しており「延期したとしても年度内、できれば秋ぐらいにやってもらえればいいが」と期待した。

 東北地方の工芸家らが陶や木などでメダルを制作し、東京五輪・パラリンピックの参加国や地域に贈る企画に参加している黒石市の陶芸家・今井理桂(りけい)さん(72)は「日本に限らず世界的な話で、こればかりはしょうがない」と延期検討に理解を示しつつ「2年も3年も先だと選手がかわいそう。コロナが収まるようであれば、今秋にも実施してほしい」と話した。

 八戸工業大学第一高校レスリング部の大館信也監督(39)は「選手は(代表選考に関わる)最終予選に力のピークを持っていくため4年間練習する。特にレスリングやボクシングのような体重別の階級がある競技は体作りが重要。延期するとしても半年間は空けないと照準を合わせるのは難しいだろう」とおもんぱかった。八戸市の長根公園でウオーキングをしていた同市の下村ケエ子さん(75)は「五輪も新型コロナウイルスの感染拡大も日本だけの問題ではない。当然延期すべき」とする一方「(延期の期間が)長くなれば選手のモチベーションも下がってしまう。早く終息するよう祈ることしかできないが、2年、3年と先延ばしにするのは選手がかわいそう」と心配げ。むつ市の会社員野中久美子さん(44)は「延期するなら4週間と言わず早めに判断してほしい。この大変な状況が数カ月で良くなるとは思えないし、今やるべきではないと思う」と話した。

 青森市出身で、現在山形県の大学に通う高橋未貴さん(21)は、4枚の東京五輪ボート競技のチケットが当選。「もし延期になっても仕方ないとは思うけど、東京五輪は開催してほしいし、直接見に行きたい」と語る。青森市の山本康太さん(39)は「せめて半年は延期した方がいい。予定通りの開催だと、選手の練習が不十分だから厳しいと思う」。息子の雄大君(8)も「コロナは怖いしうつりたくない。東京五輪は開催してほしい」と願った。