青森県内初の新型コロナウイルス感染者が2人確認された八戸市の経済界から24日、先行きを不安視する声が相次いだ。全国的な感染拡大で宿泊・飲食などを中心に宴会のキャンセルが続いていたが、お膝元での感染判明で経営が厳しさを増す可能性があり「経験のない大不況だ」と窮状を訴える声も聞かれた。

 八戸商工会議所は同日、河村忠夫会頭らが八戸市庁を訪れ、小林眞市長へ新型コロナに関する中小企業や小規模事業者への対策、支援を緊急要望した。

 河村会頭は「県内では今まで感染者がゼロだっただけに衝撃を受けた。東日本大震災の時よりも先が見えない状況で、行政の支援を受けながら事業者と共に困難を乗り越えたい」と語った。

 市内では新型コロナ感染拡大を受け、4月に多目的アリーナ「フラットアリーナ」で開く予定だったアイスショーが中止となるなどの影響も。八戸圏域DMO「VISITはちのへ」の塚原隆市理事長は「イベントの中止は観光にとって打撃だが、重要なのは感染の拡大防止。新型コロナが八戸に来るのは想定内で、状況を見極めながら冷静に対応していく」と述べた。

 一方、市内18ホテルで組織する八戸ホテル協議会によると、各ホテルの稼働率は例年の半分以下と非常に厳しい状況という。あるホテルの総支配人は「40年以上宿泊業に携わっているがここまでの不況は経験がない。(感染者が出たことで)事態はさらに悪化するだろう」と声を落とした。

 市内のあるタクシー会社は感染者がタクシーで帰宅したことを受け、その日に勤務していたドライバー15人全員の乗車記録などを自主的に調査した。体調を崩したドライバーは確認されなかったが、大事を取って全員に2週間の自宅待機を指示した。担当者は「ただでさえ売り上げが落ちている中、これでは仕事にならない」とうなだれた。

 市内の企画会社はゴールデンウイーク以降、イベントを実施する方向で準備を進めていたが、市内から感染者が出たことを受けて白紙に戻した。会社代表は「各業界はより厳しい状況に追い込まれている。八戸の経済は終わった」と大きなため息をついた。