北部上北広域事務組合は24日、2014年に公立野辺地病院(青森県野辺地町)を受診した当時80代の女性がその後死亡する医療過誤があったとして、女性の遺族に損害賠償金850万円を支払うことを明らかにした。遺族側との和解と賠償金支払いに関する議案を同日の事務組合議会定例会に提出し、原案通り可決された。

 同病院によると、死亡した女性は上北郡在住で、14年10月にぼうこう憩室がんの疑いで同病院を紹介受診した。コンピューター断層撮影(CT)検査や細胞診の結果を踏まえ、病院側は「悪性腫瘍を積極的に疑う所見はない」とし経過観察の方針を決めたが、翌15年6月に他の病院でぼうこう憩室がんと診断された。診断時点での根本的治療は困難と判断され、女性は16年2月に死亡した。

 女性の遺族は17年、公立野辺地病院を運営する同事務組合を相手取り、損害賠償を求めて静岡地裁に提訴。遺族側が同病院の診断に「見落としがあった」などと主張したのに対し、病院側は「見落としはない」として争ってきたが、19年6月に裁判所から和解勧告を受けたという。

 同病院事務局の担当者は取材に対し「こちらは『見落としはない』と主張してきた。しかし、長い時間がたつことで相手側もいろいろな心労があるだろうし、和解しようということになった。今後はいろいろな医療行為において細心の注意を払っていく」と話した。