三戸中央病院は26日、定期受診してきた50代男性患者の腎臓がんを見落とす医療事故があったと明らかにした。男性の現在の症状は最も進行度が高いステージ4で、早期に発見していれば悪化を防げた可能性がある。病院は男性に損害賠償金1200万円を支払うことで和解。病院を運営する町は賠償金支払いに関する議案を同日の町議会定例会に提出し、原案通り可決された。

 病院の説明によると、男性は慢性疾患などの治療のため2004年から通院。定期検査では尿に微量の血が混じり、異常値が見られたものの、担当医から精密検査は勧められなかったという。19年7月、男性が別の症状を訴えコンピューター断層撮影(CT)検査を受けたところ、左の腎臓にがんと思われる影が写っているのが判明。八戸市内の病院による精密検査の結果、正式にがんと診断された。

 日本腎臓学会などは7年前、尿の検査で異常が明らかになった場合、精密検査を患者本人に勧めるガイドラインを策定している。ところが病院はそれ以降も男性の体調に大きな変化を確認することができず、精密検査を勧めなかった。男性は自宅で静養しており、近く患部切除の手術を受ける予定という。

 病院は再発防止策として定期検査で異常値が見つかるなどした場合、速やかに複数の医師で話し合い、対応することを決めた。東山明弘院長は「今後このような事故を起こさないよう、院内の体制を整えたい」とのコメントを出した。