脊髄小脳変性症を患い、自力で歩くことが困難な青森県五所川原市金木町の角田憲勇(けんゆう)さん(49)が、障害者に配慮したバリアフリー社会の実現に理解を深めてもらうため、映画を自主製作する。7月中旬から市内でロケを行い9月ごろまでに撮影を終える。年内には動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する予定。

 映画「ありふれたこの街だから、」は、1人の女子中学生が主人公。障害のある男性の署名活動を手伝うことになったが、署名を集めても社会は変わらない、と気持ちは冷めている。ある日、五所川原市を訪れた車いすの観光客と出会い市内を案内するうちに、心のわだかまりが解け自分にできることは何かを見つけていく。監督、脚本、撮影を角田さんが担当、音楽は知人に提供してもらった。

 当初は市ふるさと交流圏民センターで上映会を開く予定だったが、新型コロナウイルスの影響で上映会は中止に。代わりに動画をユーチューブで配信し、希望先にはDVDを配布する。

 角田さんは「健常者と障害者が互いにフラットな関係を築ける社会が理想。その社会を実現するために障害者は自立しなければならないが、社会インフラが不備な上、福祉制度に支えられないと生活していけないのが現実」と強調する。

 今回の映画では、健常者に障害は個性だと感じてもらえるような構成にしたいという。「障害者を見かけたとき、意識せずとも主体的に動ける社会になったとき五所川原は変わる」と述べ、「市民がそこに気がつくきっかけになれば」と話している。