青森県東通村が、同村蒲野沢の旧北部中学校敷地に農産物加工施設を建設する。29日の臨時村議会で、関連経費を計上した2020年度一般会計補正予算案が可決された。2カ年事業で、総事業費は19億9919万円を見込む。村は旧北部中校舎を大学の研究拠点として活用するなど、一帯を農業拠点エリアとして整備する方針。

 施設には、県外の高級百貨店などに村産品を常時提供できる体制を目指し、高度な衛生管理設備を導入する。農家が加工品を製造できるスペースも設ける。避難所や原子力災害時の安定ヨウ素剤配布場所など、防災機能も持たせる。

 村は補正予算に事業費11億1560万円を計上した。財源には、災害時の燃料備蓄施設整備を対象にした国の補助金や、企業版ふるさと納税による寄付金を充てる方針。

 村は11〜12年度の2カ年事業で、同村砂子又地区への産直や村産品の加工場などを備えた施設建設を構想。村に原発を立地、計画する東北電力や東京電力の資金協力を得て進める方針だったが、東日本大震災と福島第1原発事故を受け、12年から中断している。

 一方で、同村野牛にある村の加工施設(1992〜93年度整備)の老朽化が進み、建て替えの必要性があったことから、砂子又地区の整備計画のうち加工施設を切り離し、旧北部中への建設を決めた。

 村は20年度中に、一帯の農業拠点エリア整備に向けた基本計画を策定する。村経営企画課の菊池敢世課長は「農家の所得向上や新規就農の増加などを図るとともに、将来的に下北の農業拠点として役割を果たせるようにしたい」と話した。

 村の20年度一般会計予算は、12億861万円を追加補正し、総額は90億5061万円となった。