東京大学地震研究所(佐竹健治所長)は、地震の揺れの大きさや津波を予測するため、青森市油川から深浦町千畳敷までの約59キロにわたる県内の地下調査を30日、始めた。7月中旬まで調査を続ける。調査結果は来年の5月までに発表する予定で、自治体や住民の防災対策に役立てる予定だ。

 調査は、2013年度から文科省が8年間にわたって行う「日本海地震・津波調査プロジェクト」の一環。これまで全国7カ所で調査を行っており、青森県が最後の調査地点となる。今回の調査では、内陸型の地震を引き起こす震源断層の位置や形とともに、津軽平野の下に未知の活断層がないかを明らかにする。

 この日は青森市内で同研究所付属地震予知センターの佐藤比呂志教授らが、報道各社に調査内容を説明。佐藤教授は「11年の東日本大震災以降、北海道・東北地方では、地下深くの震源断層にかかる力が変化した結果、地下が地震の起きやすい状態になっている。津軽地方はデータが少なく、今回の調査は重要」と意義を強調した。

 調査方法は、専用の大型起振車(バイブロサイス車)で地面を揺らす「反射法」で、主に石油探査の現場で使われてきた。起振車で地中に地震波を伝え、地殻から反射あるいは屈折して地表に戻ってくる波を地震計でとらえることで、地殻の様子を視覚化する。

 佐藤教授は「内陸が震源の直下型地震は、震度7クラスの強い揺れが起こる。1766年の明和津軽地震はまさにそうした地震。家具の固定など、今からできる対策を」と呼びかけた。

 一方、この日の説明会には、弘前大学大学院理工学研究科・小菅正裕教授のゼミ生も参加した。弘大大学院後期博士課程の雨澤勇太さん(2年)は「普段はコンピューターで数値解析などの研究をしているが、もとになるデータを採取する現場を見る機会はめったにない。実際に起振車が動き、地面が揺れるのを体験したのは貴重な経験」と話した。