青森県五戸町は6月30日、同町と八戸市を結ぶ旧南部鉄道で使われたディーゼル機関車「DC351」について、所有する宮津海陸運輸(京都)に対し無償譲渡を申し入れた。同社によると、機関車の譲渡には現在同町を含め複数の希望者があり、検討の上数カ月以内に譲渡先を決める方針という。

 DC531は1956(昭和31)年、鉄道車両メーカー「汽車製造」(大阪)が製作し、南部鉄道で貨物輸送等に活躍。67年には日本冶金工業(東京)へ譲渡され、京都府の同社専用線で使われた。

 85年からは、専用線を運行していた加悦(かや)鉄道(京都)の歴史的車両を展示する施設「加悦SL広場」で保存されていたが、広場は車両や施設の老朽化を理由に今年3月末で閉園。広場を運営していた宮津海陸運輸は、6月30日まで輸送費の負担などを条件に展示車両の譲渡先を募っていた。

 同日開かれた町議会議員全員協議会では、町側が経緯や関連経費などについて説明。議会側は歴史的な価値や観光資源として活用が見込める点を評価し、申し入れについて了承した。

 町によると、譲渡を受けた場合は豊間内地区の歴史資料館「ごのへ郷土館」前広場での展示を構想。輸送費用などに約1千万円を見込み、町の一般財源かふるさと納税寄付金で賄うことを検討している。

 町総合政策課の手倉森崇課長は「町にとってゆかりの車両。ぜひとも町内で展示できれば」と期待を寄せた。