不安に強い人は「考えない」を習慣にしている 1日16時間、9年歩いた僧侶が悟ったこと

不安に強い人は「考えない」を習慣にしている 1日16時間、9年歩いた僧侶が悟ったこと

電車にいる人の大半がスマホにかじりついている現代。つねに新しい情報が更新され、周囲からの反応が気になっている状態といえるのではないでしょうか。

こうした状況においても、ストレスを抱えず、笑顔で仕事や物事を軽やかにこなしていくために、最も必要なことは「自分の心をコントロールする技術」であると塩沼亮潤氏(新著に『歩くだけであらゆる不調が消える歩行禅のすすめ』)は語ります。

荒々しい歩みは困難を増やすだけ

私たちの人生は、毎日が小さな修行の連続です。幸せを求め、困難に耐え、この世に生きる意味を問いながら、人生の曲がりくねった道をひたすらに前へと歩み、人それぞれの旅を続けています。

その道のりは、晴天ばかりではありません。ときに、悲しみや理不尽に襲われて涙で泣きぬれたり、怒りやつらさに震えたりすることもあるでしょう。

そんなふうに感じてしまうとき、いちばん大切なのは、そのつらさ、苦しさ、悲しさの波にのみこまれないように自分の心をコントロールすることです。

私がかつて経験した「大峯千日回峰行」は、自分の思いどおりには決していかない大自然を相手にする、厳しく険しい修行でした。前回記事でもご紹介したように、これは奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山と呼ばれる山上ヶ岳までの往復48キロメートルを1日16時間かけて歩き、それを1000日間、雪で山が閉ざされる期間を除いて足かけ9年にわたり続けるというものです。1000日間の行程はまさに、私たち人間が生まれてから死ぬまで歩む“ままならない人生”のようです。

行に入ったばかりの頃は、お山の過酷な環境との戦い、自分を襲う苦難との戦いに心がとらわれていました。当時24歳という若さだったこともあり、「命の1つや2つ、落としてもどうってことはない」という驕った気持ちで力まかせに駆け、山道を踏破しようとしたのです。

しかし、すぐに足腰が悲鳴を上げ、体力は激しく消耗しました。この調子では、1000日間歩き続けることなど到底できません。

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