2011年、ある女性の退職がアメリカで話題になった。マーク・ザッカーバーグの姉であるランディ・ザッカーバーグが、創業から7年間勤めたフェイスブックを退職し、自らの会社を立ち上げたのだ。彼女が何を求め、いかに決断して、フェイスブックから去ったのか。同氏の新刊『ピック・スリー 完璧なアンバランスのすすめ』に記された、仕事や夢、家族に対する思いを抜粋して紹介する。

家族大好きザッカーバーグ一族

ザッカーバーグとは、ドイツ語で「砂糖の山」という意味だ。私が甘いものに目がないのはそのせいかも。ザッカーバーグを名乗る人々は世界に7000人近くいるのに、うちの小さな家族が(そんなに小さくない? 4人きょうだいだし、今やその4人に子どもが計5人いる)そのなかでいちばん有名になるとは、だれが想像しただろう。

私は、多くの点で本当に恵まれていると思う。子どもを愛し、その夢を支えてくれる(しかも、この離婚大国アメリカでずっと夫婦を続けている)とびきり愛情深い両親に育てられたこともその1つ。私がアカペラのコンサートに出るときには、どんなに遠くても車で送り迎えしてくれた。

そんな両親のもとで育った私たちは、何があろうとお互いのイベントには顔を出す。弟のマークがハーバード大学の学位授与式でスピーチをしたときはオーストラリアからボストンへ飛び、数時間後にまた南半球へとんぼ返りした。弟は弟で、私のブロードウェーデビューを見届けるために、あのオバマ大統領との会議を早退したほどだ。

それからもちろん、言葉に尽くせないほど幸運で、恵まれていて、光栄だったのは、フェイスブックの最前線で働くという、人生でまたとない経験ができたこと。実の弟が突如としてスターになり、ザッカーバーグの名が「革新」や「業界」と同義語になるのを目撃したことだ。

自分の名前が「ロックフェラー」や「スピルバーグ」に並ぶほど有名で尊敬されているというのは、単純に言ってすごいことだし、いまだに毎日信じられないでいる。

それでも私は2011年に、7年間働いたフェイスブックを辞めることにした。その理由や、そこに至るまでの経緯を、ここで振り返ってみたい。