女性の活躍や男女共同参画社会といわれる一方で、現実社会ではいまだに女性が圧倒的に不利な立場に置かれやすいダブルバインドな状況です。しかしそんななかでもトップレベルで活躍している女性は何が違うのか。

拙著『21世紀の「女の子」の親たちへ 女子校の先生たちからのアドバイス』 の取材では名門女子校のベテラン先生たちに「女の子」の親としての心得を聞きましたが、そのうちの1人、品川女子学院中等部・高等部の漆紫穂子先生はこんな点に着目しています。

「男性の場合はまだ学歴の影響がゼロではないと思いますけれど、女性の就職を見ていると、学歴に対する評価が男性とはまったく違います。同じ進学校で学んだとしても、そこに対する労働市場からの評価が男女で違うのです」

企業トップで活躍する女性の共通点

漆先生は、卒業生から聞いた話を教えてくれました。

「例えばある日本の大手電機メーカーでの話です。最終面接に30人残りました。29人は男性です。ほぼ東大か東工大。しかも修士や博士をもっている。唯一の女性であるうちの卒業生はいわゆるMARCHレベルの私大の学部生。そういう選び方をされています。ほかにも工学系に進んだ卒業生が、就職活動については同様の話をしていました」

漆先生に言わせると、その卒業生はいわゆる「リケジョ(理系の女子)」でありながらコミュニケーション能力に長けていて、人と人とをつなげるのが得意。職人的個人プレーになりがちな理系の職場において、高いコミュニケーション能力が評価されたのだろうと分析しています。

また、若くして校長になり学校を再建したことで有名になった漆先生は経済界にも顔が広い。交流関係を見渡してみると、企業のトップになるような女性の出身校は必ずしも旧帝大のような大学ではなくバリエーションが豊富である代わりに、別の共通項があるのだそうです。