1枚の紙ナプキンに描いた事業構想の図から世界的なビジネスが生まれた。そんな逸話が数多くある。なぜ経営者たちは紙に図を描くのか。なぜそこに描かれた図は大成功につながる起点となるのか。

外資系の事業会社やコンサルティングファームを経て、いまはビジネススクールで教鞭をとり、『武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン』を上梓した筆者が、ビジネスで「図を描いて考える」ことの重要性と意味を解説する。

職場では「考えろ」とよく言われます。

「この問題についてしっかり考えろ」「もっといいアイデアを考えろ」

しかし、肝心の「考え方」については、上司は教えてくれません。みんな無意識か、自己流でやっていて、自然にできる人だけが身に付けていく。そんな感じだと思います。

私自身、いろんな人に尋ねられていちばん答えに窮する質問は、「どうやったら『深く考える』ことができるのか?」です。

でも、その答えの1つに「図で考える」があるような気がするのです。

図で考えることは、ビジネスで大きな武器を手に入れることになります。頭のいい人たち、仕事のできる人たちの多くが、図を使って考え、決断しているのです。

1枚の図が数十億円のビジネスを動かす

私が最初に「図」のパワーに遭遇したのは、30年前の就職活動中、世界的な戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーでサマーインターンの機会に恵まれたときでした。PPMという、とても豊かな図を初めて知って、「目からウロコ」の体験をしたのです。