さらに、ファシリテーターの心構えとして最も大事にしたいのは、「メンバーの納得感」です。リーダーが持ち帰って決めてもいいのですが、会議の中で、メンバーと一緒に決めるほうが、全員の納得感を得られます。

「納得度の高い・低い」は、メンバーのパフォーマンスに大きな影響を及ぼしますから、丁寧に進めましょう。

例えば次のような感じで役割分担を決めていきます。

例:メンバーが5人いて、タスクを10個程度に分類できる場合

1. タスクは全部で10個だから1人2個を任せられるね
2. 好きなタスクを選んでいいよ
3. もしかぶったら調整させてね

参加者にはこの3つを満面の笑みで伝え、1人ずつ順番に希望を聞いていきます。もし、やりたいタスクがかぶったら話し合いで調整します。

このやり方で役割分担を決めると、ほとんどの場合、5分程度という超短時間で決まり、かつ、参加者全員の納得度が高い状態になることが多いです。

なぜ、短時間で、かつ、納得度が高い状態で決まるのでしょうか。

それは、自らがやりたいタスクを選ぶことができるからです。これは大きなポイントで、上司に命令された仕事はやらされ感がつきまといますが、「自分がやりたい!」と思って自発的に取り組む場合はいきいきと仕事ができますよね。当然ながら、パフォーマンスにも好影響が出るのです。

ある研究結果ではやらされ感のある仕事と、自発的に取り組む仕事では、パフォーマンスの差は4倍になるという結果が出ています。

私は、これをクイズにして、研修で出す機会があります。答えを、2倍、4倍、10倍の3択で出題しますが、これまでの結果は、2倍と答えた人は2割、4倍は4割、10倍は4割に意見が分かれました。

自分でタスクを決めて、自発的に取り組む。人は、自分で決めることをとても大事にしています。これを「自己決定感」と言います。

自分で決めたことに対しては、責任感が強まりますし、かなりの確率で納得度が高い状態で決まります。

リーダーが「適材適所」を決める方法もありますが、本人にやりたいタスクを選んでもらうことが最も理想的な「適材適所」になるのです。

リーダーの立場として、「○○さんには、これをやってもらいたい」という希望はあると思います。そのあたりは、素直に相手に伝えて調整すれば済む話。メンバーを100%信じ、受け入れるという考え方と同じです。

安心安全の場を演出をする

ファシリテーターの役割の1つに、「活発な意見が出る場づくりをする」というのがあります。参加者に安心して発言してもらうために必要なのが「安心安全の場」なのです。

Google社のリサーチチームが、「チームのパフォーマンス向上のためには、心理的安全性を高める必要がある」という調査結果を発表しています。