「わが子は他の子と違うのではないか」

最近よく耳にするようになった「ギフテッド(生まれつき突出した才能を持った人)」かもしれないというよりも、発達や見た目などを周りの子と比べて、“わが子の違い”を心配する親は多い。

「おもちくん」こと、星野未来くん(1歳)は、まさに“他の子とは違う”姿で生まれてきた。すべすべの白い肌によく動く手足。むっちりしたほっぺがチャームポイントの可愛らしい赤ちゃんだが、その瞳を覆うまぶたはない。頭蓋骨の半分と眼窩(がんか:眼球を支える頭蓋骨のくぼみ)、頬骨が欠損しており、鼻の骨や耳は小さい。顔と頭蓋骨の形成異常だが、病名がついておらず、世界でもめずらしい症状だという。

「やってること夜勤の看護師さんなんよ」

生後7カ月まで入院していた病院で3カ月の誕生日を迎えた未来くん。この頃はまだ下まぶたがなかったので、常にラップで眼球を保護している状態だった(写真:両親提供)

手術をして下まぶたを形成したものの眼球が剥き出しになっている部分があるため、一日数回の点眼と、夜眠るときには眼球に軟膏を塗ってラップで覆うケアが必要だ。嚥下障害があるので、よだれや痰は吸引し、食事は胃ろうから摂取する(現在、少しずつ口から食べることも練習中)。夜間は人工呼吸器で酸素を注入している。

最近は週に1度、数時間ほど専門の施設へ通所するようになったが、多くの時間は育休中の両親が自宅でケアしながら育てている。

「大変は大変ですけど、意外と慣れますよ」。母親のしほさん(33歳)はあっさりと言う。

半年前から配信するようになったYouTubeチャンネル「星のミライChannel」で、夜間のケアの様子を公開したところ、「やってること夜勤の看護師さんなんよ」「正直、こんなにいろいろなケアが必要だとは想像していませんでした。ご両親に頭が下がります」といったコメントがたくさんついた。