愛知県の中部国際空港は、2018年10月に開業した空港隣接の複合商業施設「フライト・オブ・ドリームズ」の年間来場者数が、目標を上回る160万人超になったと発表した。

中部国際空港の犬塚力社長は「大変順調に推移した。(中部国際空港を)単なる旅行の通過点ではなく、楽しめるにぎわいの拠点にしたい」と開業初年度を振り返った。

新感覚の飛行機テーマパークを標榜

中部国際空港が直接運営しているフライト・オブ・ドリームズは地上4階建て。体験型コンテンツで航空機産業と航空業界について学べる有料の展示エリア「フライトパーク」と、レンガ造りやネオンサインなどの内装でアメリカ・シアトルの街並みを彷彿とさせる飲食・小売店エリア「シアトルテラス」からなる。

標榜するのは「新感覚飛行機テーマパーク」だ。都内のテーマパーク「サンリオピューロランド」の入園者数が219万人、遊園地「よみうりランド」が191万人(いずれも2018年度)だったことを踏まえれば、愛知県に立地し、名古屋駅からも有料特急で30分かかる場所にあるフライト・オブ・ドリームズは高い実績を残したといえる。

最大の目玉は、天井まで吹き抜けになった館内空間の大部分を占めるボーイング787型機の展示だ。至近距離から機材やコックピットを見学できるのはもちろん、2階にあるフードコートの一部座席では主翼を頭上に眺めながら食事を楽しめる。

ボーイング787型機は2011年から納入が始まったボーイングの最新機種。低燃費かつ長距離航続が可能な性能を評価され、2019年10月までに世界のエアラインや航空機リース会社へ合計906機が納入された。展示されている機材はその飛行試験に用いられた787型の初号機で、ボーイングのみならず航空産業全体にとって歴史的、学術的な価値を持つ。

そんな業界の重要財産が、なぜ中部国際空港の商業施設に収められているのか。その背景には、ボーイングと中部地方の深いつながりがある。