1月15日、アメリカと中国は貿易交渉の第1段階の合意に正式に署名した。米通商代表部(USTR)は約86ページにおよぶ合意文書を公表。それによると「中国は2020年、2021年の2年間でアメリカからの輸入額を2000億ドル上乗せし、知的財産権の保護を強化する一方、アメリカは2月から対中制裁関税の一部を引き下げる」とした。

米中合意への「市場の受け止め方」をどう見るべきか

ホワイトハウスで行われた署名式には、中国から劉鶴副首相が出席、ドナルド・トランプ大統領は「過去の過ちを正し、公正な貿易を実現する歴史的な取引になる」と、大々的に成果を語ったが、市場の反応は、それほど好意的なものとはならなかった。

アメリカは合意を受けて、昨年9月に発動した1200億ドル分の中国製品に対する15.0%の関税を7.5%に引き下げるものの、それ以前に賦課した2500億ドル分に対する25.0%の関税に関しては、少なくとも秋の米大統領選までは継続、中国側の合意の履行状況を見極めた上で次の判断を行うとしており、景気への影響は続くとの懸念が残ったことが背景にあると思われる。

中国によるアメリカ製品の購入に関しても、商品毎の数値目標に関する言及はなく、今後事務レベルでの協議が継続するとされたことや、協議が不調に終わった場合には、新た関税を含めた制裁を検討するとしたことも、弱気に作用したのは間違いないところ。合意の目玉であった年間400億ドルというアメリカの農産物購入に関しても、中国側は実際の買い付けは市場の状況次第との見方を示しており、その実現性に対する疑念が改めて高まったということが出来るだろう。