4人にまとまってきた民主党大統領選挙候補者。外交では既存の国際秩序を重視する主流派の外交路線に加えて、「プログレッシブな外交」を掲げる勢力も力を伸ばす。

アメリカ国内および世界では、民主党有力候補の動きに注目が集まっている。

民主党予備選を見据えた全米の世論調査では、バイデン(Joe Biden)前副大統領、サンダース(Bernie Sanders)上院議員(無所属、バーモント州)、ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(民主党、マサチューセッツ州)が長らく上位を維持し、いわゆる「トップ3」を形成してきた。

また、インディアナ州サウスベント市のブティジェッジ(Pete Buttigieg)前市長は、序盤に予備選が行われる州の世論調査で好位置につけており、この4者のいずれかが、本選挙でトランプ大統領と対峙する公算が大きくなっている(1月現在)。

これまで、民主党予備選に向けた党内議論では国内問題が大きな比重を占め、外交問題が主要争点となる場面は少なかった。しかし、トランプ政権によるイラン司令官殺害(1月3日)などをきっかけに、様相が一変する可能性もある。

こうした状況を念頭に、民主党有力候補の外交政策について、候補者間の違いや、トランプ外交との向き合い方に注目して概観してみたい。

穏健派と台頭する左派の対立図式

民主党の有力候補4人については、さまざまな尺度から比較がなされている。候補者の年齢に注目すると、サンダース氏、バイデン氏、ウォーレン氏の3者が70歳代である中、37歳のブティジェッジ氏は異彩を放つ存在である。

公職経験の長さという点では、バイデン氏とサンダース氏が長い経験を持つのに対し、上院議員選挙に勝利する2012年まで大学教授であったウォーレン氏と、同年にサウスベント市長となったブティジェッジ氏は、相対的に公職経験が短い。

副大統領になるまでのバイデン氏は、実に36年間にわたって上院議員(民主党、デラウェア州)を務め、この間、上院外交委員会の委員長なども務めた。サンダース氏も、上院議員(2007年から)になる前は下院議員(無所属、バーモント州)を16年間、さらにその前はバーリントン市長(バーモント州)を8年間務めている。

こうした公職経験の長さは、候補者としての「強み」にも「弱み」にもなりうるものであり、この点は特に、アメリカ政界の主流に身を置き続けてきたバイデン氏の選挙戦を考えるうえで重要である。