大ブームを起こしたTwitter連載マンガ『100日後に死ぬワニ』が3月20日に100日目を迎え完結した。この原稿を書いている時点でRT数は76万オーバー、いいねは222万を記録している。Twitterでバズるマンガは多いが、この数字は桁違いといっていい。

最終回である「100日目」の発表と同時に展開された関連企画の告知によって、一転して多くの批判も噴出しているが、今回の原稿ではプロモーションまわりについてはひとまず置いておく。

ここでは完結後のあれこれに隠れて、すっかり語られることがなくなってしまったこの作品が「何が新しく、特別だったのか」を改めて考えておこうと思う。

『100日後に死ぬワニ』が超ヒットした理由

『100日後に死ぬワニ』は、「100日後に死ぬ」というフレームの面白さがあると同時に、Twitterというメディアと非常にうまくマッチする作品だった。

「100日後に死ぬ」という部分についてはすでに多くの人が指摘しているだろう。例えば伊集院光はラジオでこれを「発明」と表現している。「100日後に死ぬ」と書くことで、主人公のワニが体験するあらゆる「普通のこと」に意味が加わる。

言い換えれば、何気ない日常にドラマ性が付与されるということだ。『100日後に死ぬワニ』の1日1日には基本的に特別なドラマはない。だが、その特別なドラマのなさ自体が、作品のメッセージ性と直結している。

死にはドラマや脈絡はなく、自分たちにとっても今日が「あと100日」の日かもしれない。「ドラマ性のない今日を生きる」ということの意味を鮮明にする、発明的なタイトルだ。

そして、この「100日後に死ぬ」というつくりは連載形式としても画期的だった。「100日後に死ぬ」というフレームは、これまでの雑誌連載マンガからはなかなか生まれにくい。