「とうとう」というか「ようやく」というか。新型コロナウイルスの感染拡大で安倍晋三首相が7日、緊急事態宣言に踏み切った。諸外国の非常事態宣言とは異なる「法的強制力のない竹みつ」(政府筋)という伝家の宝刀だが、成否は国民の協力次第となる。

期間は大型連休最終日の5月6日までの1カ月間。安倍首相は、地域指定した東京や大阪など7都府県の各知事と協力して、ニューヨークなどのような感染爆発(オーバーシュート)の阻止を目指す。ただ、今回の緊急事態宣言が危機突破の大英断になるのか、それとも遅きに失した悪手となるのかはまったく見通せない。安倍首相にとって「政権の命運にもかかわる大勝負」(自民長老)となる。

リーマン時の2倍の「超大型経済対策」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は7日午前、専門家による基本的対処方針等諮問委員会の意見具申を踏まえ、国会で事前報告と質疑を行ったうえで、夕刻の政府対策本部で宣言発令を正式決定した。対象地域は、感染が拡大している東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県と大阪、兵庫、福岡の7都府県。

これに併せて政府は7日午後、事業規模108兆円にのぼる経済対策とそれに伴う2020年度補正予算案を閣議決定した。安倍首相は「日本の国内総生産の約2割という、世界的にも最大級の経済対策」と胸を張った。このうちの財政支出は39.5兆円で、①低所得世帯や中小・小規模事業者に対する6兆円超の現金給付②26兆円規模の税金・社会保険料の支払い猶予③40兆円超の企業向け金融支援などが柱だ。感染拡大に向けた医療支援を含む「あらゆる政策の総動員」(安倍首相)となる。

リーマンショック時の2倍という超大型経済対策は、安倍政権の危機感を反映したものだ。対策のスケジュールは、安倍首相が3月28日に新型コロナウイルスに関する3回目の記者会見を行った段階で、「4月7日閣議決定→補正予算案の4月21日国会提出→4月24日成立→5月上旬から実施」という日程がすでに固まっていたとされる。