鉄道車両の寿命は、一般的に30〜40年と言われている。もちろん、この年数を大幅に超えてなお安全に走り続けている車両はあるものの、だいたいこの年数を過ぎると車体の各所にガタが来たり、保守部品の調達が困難になったりしてくる。まだ使おうと思えば使えないこともないが、メンテナンスの手間や費用を考えると新車に置き換えたほうがよい、という1つの目安が、その年数ということだ。

ただし、近年はこの目安が少し変わってきた。車体が鋼鉄製からアルミ製やステンレス製になったことで、さびや腐食の心配がなくなり、車体の寿命は延びつつある。一方で、走行機器類は技術の発展が目覚ましいこともあってライフサイクルが短くなり、保守部品を確保できる期間が短くなった。このため、寿命を迎えた走行機器を最新技術のものに載せ替え、車体はそのまま使用するといった方法が、近年は多くみられる。

数少なくなった鋼鉄製車両

アルミ製やステンレス製の車体は、今から50年以上前に一部の鉄道会社が採用を始め、40年ほど前から一般的になった。平成に入ると、新製車両は大半がステンレス製となり、鋼製のものは中小私鉄などごく一部に限られている。言い換えると、鋼製車両はほとんどがそろそろ寿命を迎えるということだ。東武8000系や京成3400形、小田急30000形「EXE」や西武2000系など、今も首都圏の大手私鉄で活躍する鋼製車両はあるものの、もはや少数派となった。

この流れは関西の大手私鉄でも同様だ。関西は首都圏より車両の更新サイクルが長く、JRを含め鋼製車両がまだまだ残っているものの、その数は確実に少なくなっている。

そして今春、またひとつの“名車”がひっそりと引退した。阪急電鉄の3000系である。