新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業がテレワーク導入に舵を切っている。パーソル総合研究所の調査によると、緊急事態宣言後のテレワーク実施率は全国平均で27.9%と、前月と比較して2倍以上に増えている。

一方で、急遽テレワークを導入した企業からは課題も多く出てきている。IT系企業で働く女性社員は、オンライン上の会議は時間厳守などのメリットを感じている一方、「画面越しだと、温度感がわかりにくい面もある」と口にする。またECサイトを運営する企業の男性は「進捗報告や日報など雑務が増えた」と業務上でのストレスを感じているようだ。長年在宅勤務を実施している企業では、これらの課題をどう解決したのだろうか。

D2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)ブランドを手掛けるTO NINEは、2014年の創業時から完全テレワーク制を敷く。「仕事が達成できれば朝から仕事しても、夜に仕事をしても、昼寝をしてもよいというのが弊社の考え。1日休んだって構わない。テレワークのメリットは場所と時間の自由があるところ。始業、終業が決まっていたら通常の出勤と大差がない」(吉岡芳明COO)。

創業時から完全テレワーク制度を導入

TO NINEは社員5人の小規模な会社ではあるが、採用するのは社会人経験者ばかりでない。昨年は新卒が2人入社した。新人研修でも画面が共有できるツールを使い、遠隔で業務を教えて、出社は求めなかったという。

その代わり、社員間のコミュニケーションは密に取っているという。COOの吉岡氏は「電話やWebで外部との打ち合わせがあれば、その前後に短時間、外部の人を交えない時間を設けて話したりする。そうすることで外部とも細かな相談や報告が行える」と語る。その他にも、Web会議システムのZoom(ズーム)上での週2回の全体ミーティングも行っている。

また食事会など、気軽にコミュニケーションを取れる機会も大事にしている。現在は実際に会って食事をすることは難しいものの、ズーム上でご飯を食べながらミーティングも行っている。

TO NINEでは社内での成果と目標の共有や、作業の分担を行うなど効率化のためのタスクの確認も行っている。だが、進捗の管理までは行っていない。「自分でなんでも決められるということは、主体性を持つということ。この期間は社員のマインドセットを変えるいい機会になるはずだ」(吉岡COO)