世界の経済活動を停滞させているコロナ禍にある今、ハイパフォーマンスカーの王者であるフェラーリも例外でなく、5月3日までの予定で組み立てラインの操業停止とテレワーク勤務が続いている。

製造ラインは4日から動き出すとされているものの、開発部門とF1部門は引き続きテレワーク勤務となる予定だ。株価を見ると、3月14日に組み立てラインの操業停止が発表されたときこそ瞬間的に下落したものの、さすがはフェラーリ。すぐに従来の水準に持ち直した。

フェラーリは、2019年の年間生産数において、初めて1万台超えの1万0131台を記録した。トヨタの900万台余りという数字と比較すると非常に少ないが、1980年当時を振り返ってみると、なんと2400台にすぎなかった。

これは連載の中でも述べてきたが、ブランドの希少性を維持するため、絶えず市場動向を見ながら適切な数量を供給するという考え方にのっとっている。

フェラーリたるもの、バックヤードに在庫車が余っているわけにはいかないのだ。顧客は自分の好みに応じてさまざまなカスタマイズをオーダーし、それをイタリアのマラネッロ・ファクトリーで生産するという工程を踏む。

従業員数、約4000人の適正規模

現在では、発注してから納車まで早ければ数カ月だが、バックオーダーがたまっているモデルは“2年待ち”というケースもありうる。

さらに限定生産車両は、生産開始前に“優良顧客”へお披露目され(それはスケッチ1枚のこともある)、一般への発表時にはすでに完売をアナウンスする。フェラーリのようなラグジュアリーブランドにとって、このような“希少性の維持”は何よりも大切なのだ。

フェラーリは、過去の大きな経済危機によって需要が激減した経験からも多くを学んでいる。それこそ1970年代のオイルショック時には、あっという間に市場が消滅したし、リーマンショックにおいても大きく需要は落ち込んだ。

そういったことから、彼らは企業の適正規模をしっかりと考えている。現在、フェラーリで働く総従業員数は、全世界で4285人と発表されている。