「4月1日から20日までの売り上げが75%減少」(地方鉄道)、「直近の4月1日から20日までの輸送人員は対前年比の54%」(バス)、「4月1日から15日までの東京都内のタクシーは売り上げが前年度比35%」……。

バスやタクシーといった交通事業者、福祉輸送を担う団体関係者、そして学識経験者らがオンライン上に集まり、新型コロナウイルスの感染拡大による交通機関への影響について議論した「くらしの足をなくさない! 緊急フォーラム」。4月24日に開かれたこの会議上では、地域輸送を担う交通事業者の悲痛な声があふれた。

この場で明らかになったのは、都市内や都市間輸送への影響よりもさらに深刻な、地方の足を担う地域輸送への打撃の大きさだ。フォーラムの後には、現場の安全確保や事業継続のための経済的支援などを求める緊急提言がまとめられ、4月27日に国土交通省に提出された。

感染対策の基準を

フォーラム内で交通関係者らが指摘した、緊急に対策が必要な課題は大きく分けて2つある。まず1つは、事業継続しながら感染防止対策を行うための基準やガイドラインがないという課題だ。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「緊急事態宣言」では、物流や運送サービスを「社会生活維持のために必要」な業種として位置づけている。具体的に範囲は明示されていないものの、地域輸送にかかわる交通事業者は事実上、運行を継続することが要請されている。

一方で旅客輸送はいわゆる「三つの密」が発生しやすい。そのため、各事業者は運行を継続しつつ、乗務員および利用者に新型コロナウイルス感染者を出さないようにするための対応に苦慮している。輸送が必要とされる中で感染対策も行わなくてはならないという難しい立場に立たされている。