新型コロナウイルスの感染拡大で、主要製造業の業績下振れが相次ぐ中、日本企業が強みを持つ半導体製造装置が足元で顕著な回復を見せている。

半導体製造装置で国内最大手の東京エレクトロンが4月30日に発表した2020年3月期の連結決算は売上高が1兆1272億円(前年同期比11.8%減)、営業利益が2372億円(同23.6%減)の減収減益だった。

取引先の半導体メーカーで5G関連投資は旺盛だったものの、半導体メモリを作る韓国サムスン電子などの設備投資が低調で、過去最高益となった前期と比べて業績が悪化した。営業減益は7年ぶりだ。だが、四半期ごとにみると、業績は回復傾向にある。

取引先の投資計画に変更なし

直近の2020年1〜3月期は売上高3234億円、営業利益701億円と、前四半期比(2019年10〜12月)でそれぞれ9.7%増、17%増と、好調だった2019年並みの数字をたたき出した。河合利樹社長は4月30日の決算会見で「データセンターや5G、スマートフォン向けの半導体需要は旺盛だ」と強調した。

工作機械や半導体製造装置といった装置産業は納期が長く、取引先が企業であるため、3月までで売り上げがすぐに落ち込むことはなかった。東京エレクトロンの半導体製造装置は中国向けが約2割を占める。2月頃の中国国内での感染拡大で、装置が納入できない事態も懸念されていたが、売上高は落ちておらず大きな影響は起きなかった。

同業他社でも業績は上向いている。4月23日と24日にそれぞれ2020年3月期の決算を発表したディスコとアドバンテストも、前期比で減収減益となったが、直近の2020年1〜3月期は前四半期比(2019年10〜12月)で売上高を10%以上伸ばした。

半導体メーカーの投資が活況で、ディスコでは工場のフル稼働が続いている。「台湾企業による5Gやサーバー向けの投資が崩れていない印象だ」(ディスコ)という。加えて、半導体の国内生産を目指す中国メーカーの投資も続いており、コロナウイルスの影響下でも投資計画の変更は見られないという。