新型コロナウイルスの影響で、大学生の生活が日増しに苦しくなっている。

学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が新型コロナウイルス感染拡大の影響を探るため、全国の大学生や短大生、大学院生ら1200人を対象にインターネット上で実施した調査。4月29日に発表した調査結果によると、「退学を考えている」と答えた学生が20.3%に上った。22日の中間報告で7.8%だったのが倍以上に増えた。保護者の収入減や、学生自身がバイト切りに遭うなどして、経済的に追い込まれている。

5月上旬には、私立、国公立ともにほとんどの大学で前期の学費納入日を迎える。今や5人に1人が学びを続けるか否か、崖っぷちに立たされているといって過言でない。

休学か、奨学金消滅か

4月下旬。首都圏の公立大学に通うAさん(20歳、女性)は意を決して、地方に住む母親に電話をした。スマホを持つ手が震えた。

「お母さん、学費のことなんだけど。あのさ、無理だったら、私、休学するよ。いったん休学して、お金貯めてまた戻れるようにするよ」

今年度から3年生。休学という言葉を口にしてみたが、休めば奨学金がなくなる。自力で生活しながら、半期分の27万円を用意できるかなんてわからない。

頭のなかでは、休学よりも「退学」の2文字のほうが現実的だとわかっている。だが、大学がいかに楽しいかを日ごろから母親に伝えていたから「退学なんて言っちゃうと、お母さんが無理をすると思った」。

Aさんは、ひとり親家庭で育った。事務の仕事をしながらここまで育ててくれた母親のために、経済的な負担が少ない公立大学を選んだ。2つの支援機構から奨学金を受け、学費も半額免除に。

家賃と光熱費といった固定費にかかる月5万円は、母親が工面して送金。それ以外の食費や交通費、スマートフォンや自宅学習のために必要なポケットWi-Fiの使用料、さらに学費まで、学生生活に必要なお金は、食品関係のアルバイトで稼ぐ月3万円ほどと、月々5万円の奨学金でまかなってきた。

ところが。まず、バイト切りに遭った。シフト時間を一気に減らされた。もともと交通費が出ないので、一度の労働が短時間だと実入りは少ない。

さらに、2020年度から大きく変わった奨学金制度が、Aさんの生活を直撃した。給付型奨学金の枠が拡充され、大学側の授業料減免などを合わせると実質無償の学生がいる一方で、Aさんの場合、学費と奨学金が同じ割合で減らされたのだ。