世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス。テレビや新聞のニュース、そしてSNSのタイムラインは、関連のコンテンツで埋め尽くされている。

イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスを「われわれの世代が体験する、最大の公衆衛生的危機」と表現した。報道やメディアという文脈で考えても、これほど国籍や人種を問わず多くの人が興味を持ち、情報を発信/受信しあった経験は、われわれにとって初めてといえるのではないだろうか。

膨大な情報は誤解や差別、分断も生んでいる

日々変わりゆく事態はメディアやブロガー、YouTuberにとって格好の題材となり、日々膨大な量の記事や動画などのコンテンツが生み出されている。そして「インフォデミック」という言葉が象徴するように、膨大な情報によって誤解が拡散したり、差別が助長されたり、分断が深まる事態が危惧されている。

今回、私たちメディカルジャーナリズム勉強会は、緊急事態宣言が延長され社会に影響が深刻化しつつあるこのタイミングで、新型コロナウイルスの流行拡大とともに、どのような記事や動画などのコンテンツが作られシェアされていったのか、俯瞰して見ることにした。

年明けから4月末までの4カ月間、国内において生み出された43万件近い記事や動画などのコンテンツ。その作成動向や、エンゲージメントの量、そして、特に多くのエンゲージメントを受けたコンテンツを見ていった結果、私たちはいくつかの注目すべき特徴を見いだした。

今回利用したのは、世界で生み出されたコンテンツを収集し、そのエンゲージメント量を測定しているBuzzSumo社のサービスだ。今年1月1日から5月1日まで、題名に「新型コロナ」「新型コロナウイルス」「新型ウイルス」「COVID-19」のどれかを含む日本語のコンテンツとそれぞれのエンゲージメント量のデータを取得した。

ここで言う「コンテンツ」とは、ニュースサイトや個人ブログの記事、さらにはYouTubeに投稿された動画などを指す。TwitterやFacebookなどSNSへの投稿は含まれない。なお、数ページに分割されている記事は、原則的に全体で1コンテンツとして収集される。

そして「エンゲージメント」とは、主にFacebookやTwitterにおける「シェア」「リツイート」「いいね」などの反応の量だ。例えば、1人のユーザーがある記事のリンクをTwitterに投稿し、その投稿にリツイートが2、いいねが5、それぞれ付いたとすると、その記事は8エンゲージメント(1+2+5)を得たと計算される。