新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、さまざまな経済活動が制限され、閉店や休業、倒産に追い込まれる企業が続出している。この危機を乗り越えるにはどうしたらいいか。前代未聞の状況下において事業を継続していくには、従来からのビジネスモデルを大きく転換する必要もある。

NHK大阪拠点放送局が制作する「ルソンの壺」は、5月31日の最新放送回(関西地域で7時45分〜8時25分放送)で、過去に取材した関西企業をリモートで取材し、どのようにコロナに立ち向かっているのか取り上げた。

登場したのはクックビズ、平安伸銅工業(いずれも本社・大阪市)、出前館(本社・大阪市、千代田区)、mediVR(本社・豊中市)、坂ノ途中(本社・京都市)、ヴァレイ(本社・奈良県)の6社。このうち経済ジャーナリストの三神万里子氏と司会の狩野史長アナウンサーが、クックビズの藪ノ賢次社長、坂ノ途中の小野邦彦社長に聞いたインタビューを、番組本編に収まりきれなかった部分も含めてお届けする。

前年同月比95%減の居酒屋業界も

狩野 史長(以下、狩野):藪ノ賢次社長が経営するクックビズは、飲食業界で働く“プロ”向けの転職を手がける人材紹介会社として、業態・業種別の細やかなマッチングにより、年間2000人の就業をサポートしています。

藪ノさん、まずは飲食業界の現状を教えてください。

藪ノ賢次(以下、藪ノ):非常に厳しく、特に居酒屋のようなアルコール業態は深刻な状況です。居酒屋系の各上場企業が発表した今年4月の売り上げを見ると、昨年4月と比べて5〜10%ほどしかない業態も実際出てきました。前年同月比90〜95%減という事態です。

クックビズの藪ノ賢次社長(写真:NHK大阪拠点放送局)

全店舗が休業しているので仕方ないのですが、お客様同士、従業員との距離の近さ、喧騒感を売りにしているようなお店は、あえてそこを強みにしていたため、デリバリーやテイクアウトへの対応が遅れて、壊滅的に売り上げが落ちています。当社がそうした企業へ求人の営業をかけても、「そんな状況ではない」という感じですから、私たちの売り上げも足元で非常に落ち込んでいます。

三神万里子(以下、三神):そんな中でも求人をかけている業態は?

藪ノ:テイクアウトと親和性の高いファストフード業態のほか、ケーキ屋さん、パン屋さんなど、そもそも持ち帰りがほとんどという業態は、今でも求人をお預かりしています。非アルコール業態は、辛うじて求人が動いているという状況です。