新型コロナウイルスの影響で、オンラインサービスが活況となっている。
葬儀業界についても例外ではなく、「オンライン葬儀」や「オンライン納骨」といった新しいサービスがリリースされ、注目を集めている。

しかし、葬儀業界のオンラインサービスは今に始まったことではなく、実はコロナ禍の数年前にリリースされていたものも少なくない。だが、当時の社会の反応は批判的なものが多く、一般の人の選択肢に数えられることはほとんどなかった。

“キワモノ扱い”されていた葬儀サービスはコロナ禍でどのように変化したのか──。車中やオンラインで参列できる、ちょっと変わった葬儀サービスを紹介する。

「ドライブスルー葬儀場」の現在

長野県上田市にある葬儀場「上田南愛昇殿」は、2017年12月のオープン前後、「ドライブスルー葬儀場」と呼ばれて注目を集めた。ドライブスルー方式で焼香することを可能にした、全国初の車上焼香システムが装備されていたからだ。

車上焼香システムとは、ファストフード店のドライブスルーのように、車に乗ったまま葬儀に参列できるシステムだ。上田市を拠点にイベントや支援管理業務、施設機器販売などを行う、D&Aコンサルティングと、その母体となる竹原重建が企画・開発した。

「10年近く前、『葬儀に参列したい』という高齢で身体が不自由な知人を車で葬儀に連れて行きました。車なので連れて行くのは楽ですが、降りてからが大変です。受付で記帳を済ませ、焼香して帰ってくるだけでも、高齢者や障害者にとって葬儀に参列することは、大変な負担になることがわかりました」

社長を務める竹原健二さんは、システム開発のきっかけを話す。

「日本人は葬儀の付き合いを大切にしますし、『葬儀に行きたい』という気持ちがある人はできるだけ行かせてあげたい。そこで、車を降りずに葬儀に参列する方法はないだろうかと考えました」