5月25日に全都道府県で緊急事態宣言が解除され、活動再開に向けて動き出すことになった。人命重視の下で医療従事者の懸命な努力やわが国の医療レベルの高さなどによって、新型コロナの第1波を乗り越えることができた。

しかし、早くも第2波の流行に対する懸念が高まっている。感染者が再び増加した北九州市では「第2波の真っただ中にいる」との認識の下、再度の活動制限を行った。現時点でこうした動きは局所的だが、いずれ第2波は必ず訪れると考えておくべきだろう。

政府は第1波と同様に感染者数の動向をチェックしながら、緊急事態宣言を発動するかどうかを判断するという。しかし、この手法には筆者は反対である。第2波へ向けては第1波の経験を踏まえた冷静な対策が求められる。第2波にどう向き合うべきかを整理しておきたい。

他のウイルスに比べて脅威は大きくない

新型コロナ第1波の経験を振り返ると、明らかになったことが2つあると思う。

1つ目は新型コロナの本当の危険度が見えてきたことである。

5月31日時点で新型コロナによる日本の死亡者は891人。これは世界的にみると非常に少ない。憲法上の問題もあって、米欧のような厳しい都市封鎖(ロックダウン)を行わず、国民の自発的協力に依拠した活動自粛策にとどまった。つまり、人の移動を完全に制限することはできず、感染拡大の余地を残すことになった。にもかかわらず、新型コロナによる死亡者は米欧諸国に比べて圧倒的に少ない。

この理由としてさまざまな仮説が出されており、本当の原因はいまだ不明である。感染率が低いのか、感染したときの致死率が低いのか、それさえもわかっていない。ただ、日本の死亡率が極めて低いことは紛れもない事実である。