顧客と直接対面する営業を強みとしてきた国内の生命保険会社が新型コロナウイルスで岐路に立たされている。

各社は4月の緊急事態宣言発令後は営業職員がいる営業所の閉鎖に踏み切り、対面営業を自粛。解除後は非対面と対面を組み合わせた活動にシフトしている。

業界3位の明治安田生命の根岸秋男社長にアフターコロナの生命保険会社の戦略を聞いた。

営業自粛は想定外だった

――さまざまなリスクに向き合う保険会社として、今回の新型コロナがもたらした被害や影響を想定していましたか。

正直に言うと、まったくの想定外だった。「パンデミック」というと保険金や給付金の支払いが多額になることを想定していた。営業の自粛や活動の停止、移動制限などは残念ながら想定していなかった。これは今後の反省材料でもある。

――明治安田生命は生保大手としては比較的早く、4月8日に営業拠点を閉鎖するなどの対応をとりました。

緊急事態宣言発令の翌日から、対象地域となる7都府県の営業拠点を閉鎖し、営業職員による対面営業を原則禁止し、テレワークに移行した。(新型コロナの問題が取り沙汰されていた)1月末には危機管理対応チームを立ち上げ、つねに状況を注視してきたのが早い判断につながった。

営業職員が対応するのは原則的に(明治安田と契約を結んでいる)既契約者だけに限定し、対面での新規営業などは完全にストップさせた。既契約者の不安を解消するために、営業職員が会社から支給されたパソコンやスマホを活用して、電話やメール、手紙、LINEなどで非対面のコミュニケーションを図った。

例えば、保険料の支払いが困難になった場合の払い込み猶予期間の延長や、新規の契約者貸し付けの利息の免除、新型コロナに感染して自宅やホテルなどで療養した場合も給付金の支払い対象になることなどを案内した。営業職員も最初は混乱していたようだが、よく対応してくれたと思う。