通信業界は新型コロナウイルスの影響を受けて、最大の顧客接点である携帯電話ショップの営業時間の大幅短縮や、受付業務の縮小などの対応に迫られた。ショップの営業時間などは6月から元に戻しているが、コロナ前と事業環境はどう変わったのか。NTTドコモの吉澤和弘社長に聞いた。

ショップへの来店客数は回復基調

――春先の外出自粛や緊急事態宣言の発令で、携帯電話ショップは一時期、時短営業となりました。​

来店客数は、緊急事態宣言の期間中は対前年比で7割減だった。(5月下旬の宣言解除を受けて)営業時間を6月10日に通常通りに戻してからは、対前年比で8割くらいまで戻っている。端末販売台数は、4、5月は当初の社内計画に対してかなり落ちたが、6月以降はその反動もあって対前年度を超えている状況だ。

――音声(通話)やデータ通信の利用状況はどう変化しましたか。

トラフィックでいうと、音声はテレワークが増加した関係で、携帯電話で通話する人が増えたため、4月には2割くらい増えた。今でも対前年よりは高い。ただ、音声定額プランに入っている人も多いので、収入的にどこまでプラスになるのかは分析中だ。

通信データはもともと、コロナがなくても経年的に対前年で15〜16%くらい上がっていた。さらに1月から「ギガホ」プランの月間データ容量を30ギガバイトから60ギガバイトに倍増させるキャンペーンをしている影響もあり、これらが押し上げている。

データ通信にテレワークの貢献がどれほどあるのかといえば、こちらは固定の光回線やWi−Fiを使う人が多いので、さほどの影響はない。一方で、海外渡航者の大幅減で国際ローミングは年間通して期待できず、ここの落ち幅は大きいだろう。

――ショップの営業時間は元に戻ったものの、コロナ以前のような形にはできていないと思います。

(客数調整のため)事前に予約を取ってもらっているほか、応対時間をできるだけ短くしようとしている。対面で、「こういうサービスはいかがですか」といろいろと提案することは本来重要だが、コロナ前と比べてある程度絞らざるをえない。

これまでショップで力を入れてきたスマホ教室も7月から再開したが、1人1人距離を取って座ってもらっているので、これまでのような人数で開催することはできていない。